フランチャイズで失敗したくない人のために、店舗を順調に増加させて利益を出しているFC本部を比較しました。失敗談もまとめています。

フランチャイズの失敗から成功までを特集したビジネス誌THE LOSER フランチャイズの失敗から成功までを特集したビジネス誌THE LOSER
<特大号>フランチャイズ失敗者に学ぶ・成功する本部選びのコツ » <第一章>フランチャイズ敗者に聞いた失敗談 » 楽に経営できると思ったのに…たった1年で廃業してしまったGさん

楽に経営できると思ったのに…たった1年で廃業してしまったGさん

安定した収入が欲しくて、デイサービスのフランチャイズ経営に参入したGさん。しかし、たった1年で廃業することになってしまった。

なぜそのような短期間で失敗してしまったのか?なぜGさんは1年という短い期間で廃業を決意せざるを得なかったのか?今回はその経緯を紹介しよう。

<起>フリーランスで将来に不安を感じていた

Gさんは、数年間勤めた大手企業を退職したのち、ITエンジニアとして自由気ままにフリーランスで働いていた。

独立当初こそなかなか仕事を受けることができず苦労したものの、徐々に依頼は増加。1年ほどたつと、十分に暮らせるくらいの収入は得ることができるようになっていた。

しかし、会社員ほどの安定感はなかったのも事実である。自由を得る代わりに安定はなくなる。それがフリーランスというものだ。

数年後、十数年後も同じように稼げるかというと自信はなく、ITエンジニアとしての仕事以外の収入源を模索していた。

そこで思いついたのが、フランチャイズ店の経営だ。

フランチャイズ店なら、自分で事業内容を考える必要はないし、細かなノウハウも教えてもらうことができるだろう。業種によっては、ITエンジニアの仕事も続けていけるかもしれない。

そう考えたGさんは、フランチャイズ店の経営を本格的に検討し始めた。

<承>現場に出なくて済むと考えてデイサービスの経営を決意

フランチャイズ店の経営といっても、さまざまな業種がある。

いくつかの業種を検討した結果、Gさんが選んだのはデイサービスの経営だった。

デイサービスとは、高齢者が週に何回か通って食事や入浴などのサービスを受けたり、レクリエーションをしたりする場所のこと。介護サービスの1種だ。

コンビニや飲食店だと、自分自身も店頭に立って働かなくてはならない。しかし、デイサービスなら働いているスタッフに任せれば、自分がわざわざ出て行かなくてもいいだろう。

経営に必要な作業だけをしながら、ITエンジニアとしての仕事も並行して続けていけるはずだ。

Gさんはそう考えて、デイサービスのフランチャイズ経営を始めることにした。

それまで、特に介護業界で勤務した経験は特になかった。けれど、デイサービスはある程度動ける高齢者がやってくるわけだし、夜勤もない。素人でも難しいことはないだろう、Gさんはそう思ったのだ。

家族や友人などまわりには反対されたものの、特に深く考えなかったGさんは、反対を押し切って開業することにした。

<転>介護業独特のコミュニケーションの難しさ

Gさんが実際に開業するまでの間、フランチャイズ本部からは多くの指導があった。

介護事業は、人員や設備など細かい条件が国によって決められている。そういった事前知識がGさんには全くなかったため、それらの研修を受けていたのだ。

幸いにもフランチャイズ本部の対応は非常に丁寧で、物件探しや法人の設立などにも十分なアドバイスを受けることができた。その点では、Gさんに不満はなかった。

そして、いよいよ物件が決まって手続きが終わり、スタッフや必要な物品も揃って、無事に開業の日を迎えることができた。

利用する高齢者の数も順調に増えて、デイサービスの経営は問題ないように感じられた。しかし、徐々にほころびが出始めたのである。

事業所長として働いていたGさんだったが、介護は未経験だったため、高齢者の対応に離れていない。それどころか、もともとエンジニアとしての経験しかなかったので、スタッフや利用者とのコミュニケーションさえ不十分だったのだ。

介護職は一般的に女性が多く、Gさんが開設したデイサービスでも同様だった。女性ばかりの職場は、コミュニケーションをとることが非常に難しい。

しかも、経験豊富なスタッフと経験が浅いスタッフの間に溝が広がり、事業所長であるGさんは対応に苦慮するようになってしまった。

<結>状況を改善できず…1年後に会社倒産

どうにか状況を改善しようとしたGさんだったが、ますます悪化する一方だった。

介護事業の面白さや重要性もいまいち把握できず、ついには経験豊富なスタッフには見下されるようになってしまったのだ。

そんな状況では、新しいスタッフに十分な教育もできないし、事業所長としての威厳もなくなってしまう。

開業してわずか数か月で、スタッフが1人2人と現場を去り、あっという間に人手不足に陥るようになった。

当然ながら、その穴埋めのためにはGさんも現場に立たなくてはならない。

当初はスタッフに現場を任せて、その間にITエンジニアとしての仕事を進める予定だったが、それもできなくなってしまった。デイサービスを続けていくのに必死になってしまい、個人の仕事を受注する余裕もなくなった。

Gさんが現場に立ったところで、スタッフをまとめられるわけもない。経験豊富、かつ態度の大きなスタッフが仕切っているため、Gさんにはそれを覆すこともできなかった。

そんな状況は、ほかのスタッフや利用者ももちろん見ている。Gさんにとって、自ら経営するデイサービスはいづらい場所となってしまった。

さらにGさんを追い詰めたのは、経営の問題だ。

デイサービスは黒字化するのが難しく、経営が安定するまでに2〜3年を要することも珍しくはない。

人手不足が顕著になってきた頃から、利用者の数もあまり増えなくなった。開業当初は、このまま増えれば数か月後には黒字化だろうと考えていたのに、その見通しも立たなくなってしまったのである。

安定した収入を求めて始めたフランチャイズ経営だったのに、それすら得られる見込みがない。人間関係もうまくいかない。

改善される見込みが感じられなくなったGさんは、ついに廃業(倒産)する決意をしたのだった。

飲食店などと違い、デイサービスは利用者と契約を結んでいる。突然やめると利用者の行き先がなくなってしまうので、廃業すると決めても急にはやめることができない。

決められた期間までに届け出を出し、利用者やその家族に不利益が出ないようにしなくてはならないのだ。

しかも、使っていたテナントはデイサービス用に必要な設備を整えているため、すべて元の状態に戻して返す必要がある。大きなテーブルや椅子、車イス、ベッドなど、使っていたものの処分もしなければならない。

居抜きで次の人に借りてもらうということが難しいので、その点も手間だった。

廃業に必要な手続きをすべて終えたあと、Gさんに残っていたのは多くの借金だけだった。

フランチャイズ本部の対応は悪くはなかったし、事業者としては恵まれていたかもしれない。しかし、何も知らない業界に突然飛び込んだGさんにとっては、デイサービスの経営はハードルが高すぎたようだ。

フランチャイズ経営をするなら、経験のある業種にするか、未経験でも十分に基礎知識を得てから踏み切ったほうがいいのかもしれない。

第一章

フランチャイズ敗者に聞いた失敗談

第二章

業界別・フランチャイズオーナーに突き付けられた現実4選

第三章

フランチャイズ成功者たちの体験談から学ぶコツ

第四章

失敗しないフランチャイズ経営のススメ

別冊番外編

フランチャイズ6大業種調査レポート

最終章

フランチャイズで開業するならこの15社を比較せよ

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